STORY
昔々のお話です。
この世界には龍族と人間、二つの頭のいい種族がいました。
二つは仲良く暮らしていたのですが、
ある日龍族が裏切って二つは大きな戦いを始めました。
その戦いはどちらかが滅びるまで終わらない、つらく悲しい戦いでした。
七つの海が干上がり、七つの大地が焦げ、
そうして命は次々と灰になって消えました。
そして沢山の月日が流れ、この世界から龍族という種族が消えました。
人間は生き残りましたが、まだ安心はできません。
なぜなら、しぬ直前に龍の王様であるラウオルフィアは
人間の王子様に こういったからです。
「後悔するといい、人間の子らよ。
汝らは遠い未来、自らの欲によってその身を滅ぼすであろう。
我らは汝らの魂を使い、必ずや王国の復興を成し遂げる。」
児童用絵本「ラウオルフィアと人間の王子」より
◆
魔導学院「レガリオン」に通うアルメリアは
ある日土砂降りの中血だまりに倒れる赤い髪の男を救う。
彼は恋人を何者かに殺され、
自身の左目の視力を失い倒れていたのだった。
アルメリアは男を救ったものの、
悲しみと憎しみにくれる男は
そのすべてをアルメリアへと向ける。
その数日後、レガリオンでの講義中にアルメリアは何かに憑りつかれ
自我を失い暴走してしまう。
だがそんなアルメリアを止めたのは、見知らぬ二人の女性だった。
彼女たちはアルメリアに告げる。
かつて存在した龍の魂が、人々の魂を選んでそこに潜み
龍族復活と人間への復讐の為に「ニーベルング」なるものを探していると。
かくしてアルメリアは龍族復活を阻止するために
「ニーベルング」を探し出すことを決意する。
傍らには痛みから立ち直った男、連がいた。